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【読書】講孟余話・留魂録

読書チャレンジ64冊目、『講孟余話・留魂録 逆境に負けない生きかた』を読了しました。

 

 

高校を卒業し大学1年生の夏に一人旅で九州と中国地方を訪れたことがありました。吉田松陰の偉大さを知ったのはその時が初めてでした。その後、『留魂録』という本を読み、吉田松陰の辞世の句に出会いました。

 

身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし大和魂(私の身が武蔵の地で朽ちてしまおうとも、大和魂だけは留めておきたいものだ)

 

日本の歴史で最も美しい辞世の句の1つと言われています。その句を知ってから10数年経ちますが、1度も忘れたことはありません。よく生徒に「教えたことを忘れてはいなけない」「何回も同じ間違いをしてはいけない」と言いますが、この句を思い出すたびに本当に偉大な人間の教えや生き様は何度も話さずとも伝わり、忘れられることもないと考えさせれらます。その点では、自分の指導力が至らないと感じます。

 

『講孟余話』は吉田松陰が獄中で獄中の人々と行った『孟子』の講義をまとめたもの、『留魂録』は処刑を悟った松陰が門下生にあてた遺書のようなものです。松下村塾の門下生は、久坂玄瑞や高杉晋作、伊藤博文などが含まれ、そして門下生ではありませんが桂小五郎も松陰の教えを受けていた一人で、それぞれが明治新政府の樹立に大きく関わることとなります。

 

吉田松陰は明治維新を見ることなく30歳の若さで生涯を終えることになりますが、死を前にして書き留めた『留魂録』も丁寧な筆跡で死の恐怖を感じさせなかったものといいます。そして、「身はたとひ~」の辞世の句と別に家族にあてた辞世の句も遺しており、人の心を打つ非常に美しい句と言われています。

 

親思ふ 心にまさる 親心 けふのおとずれ 何ときくらん(子が親を思う以上に、親は子を大切に思うものである。私のこのような状況をきいて、どんな思いだろうか。)

 

両親への感謝と両親よりも早く命を失うことへの申し訳ない気持ちが伝わる句です。

 

もう1つ、逸話として「僕」「君」という言葉を初めて使ったのが吉田松陰と言われています。「僕」は「公僕(おおやけに仕えるもの)」に由来し、自分を特別な存在と認めずに、今の言葉で置き換えるのであれば個人は社会を構成する一人に過ぎないという松陰の考えが表れた私の好きな言葉・考え方の1つでもあります。また、「僕」と「君」は対等をなすもので生徒を学問を志す「同士」と認識していた松陰の考え方を表すものです。

 

吉田松陰に関しては『留魂録』が非常に有名ですが、指導者の立場にある方であれば『講孟余話』から学べることが多いと思います。高校生の生徒でも読めるかと思いますので、『葉隠』と同様に高校生の生徒にもぜひ読んでもらいたい1冊です。

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