昨日(5月7日)、春期講習が終了しました。最終日まで残った最後の生徒が「終わったーーー」とほっとしていましたね。生徒の皆さん、お疲れさまでした。
今日は他教科の学習についてお話したいと思います。今の学習がうまくいっている生徒、英語の点数を上げて他の教科もしっかり点数を上げている生徒に関しては今のまま続けてもらえればと思います。英語が伸び悩んでいる生徒は少ないと思いますが引き続きしっかり頑張りましょう。英語の点数は上がっている一方で他教科の点数で伸び悩んでいる生徒に関しては、一度ゆっくりと記事を読み自分なりの対応を考えてもらえればと思います。
といっても私はそこまで学歴が高いわけではなく、センター試験でも良かったものは理科(地学)が95点、社会(日本史)が93点、逆に社会(現代社会)が50点台と失敗してしまったのですが英数国は75%~85%で可もなく不可もなくという点数で、私よりもできる生徒はたくさんいますので大したアドバイスにはならないかもしれません。
バックグラウンドとして高校生の頃はバンドをしていて高3の9月頃まではバンドをしていました。バンドのメンバーは全員は国公立か関関同立(1名は東大)に進学したので、真面目なメンバーが多くうまく勉強とバンド活動をやりくりしていたのではないかなとは思います。
少し余談になりますが、小学生の頃から音楽が好きで初めてのステージは小5のときの全校集会でした。
高校生の頃もガンガンやっていました。
高校生の頃は登山部にも所属していたのであまり勉強という勉強をしていなかったのですが、「まあこんな考え方もあるか」という感覚で読んでいただければと思います。
① 学びに対する考え方
生徒の皆さんの勉強を見ていると、「すべての教科が勉強」になっていてとても息苦しそうに感じることがあります。先に登場した同じバンドのメンバーの東大生は、現在筑波大学で助教授をしているようなのですが、高校生の頃からアインシュタインの「相対性理論」を読んでいました。
それはさすがに極端な例かもしれませんが、私は小学生の頃から「歴史」が好きで「大河ドラマ」や「その時歴史が動いた」のような歴史に関するテレビを見たり、軍記物が中心でしたが「平家物語」「太平記」「信長公記」「保元物語」、高校生の頃になると軍記物にも飽きて「今川仮名目録」のような分国法や「早雲寺殿廿一箇条」のようなものを読んでいました。
地学に関しても、小学生の頃に天気予報士を目指していて天気図の切り抜きを集めたり、小学生なりにですが試験に向けて勉強をしていました。天体に関しても「なぜ恒星の色が違って見えるか(シリウスは青白くてベテルギウスが赤いか)」などは学校の授業で学ぶというよりは、小中学生の頃に図鑑や辞典を読んで学んでいた知識がベースでした。
GRITの生徒に関しても一昨年、高3から入塾した女子生徒で英語力が急激にあがった生徒がいました。受験が終わって英会話の授業中に、小学生の頃の思い出を尋ねると「科学館へ行ったこと」と話していて、工学系の大学に進学した理由も納得しました。この生徒ですが受験が終わった後も「大学進学までTOEICと英会話の勉強させてもらっていいですか?」ということで受験終了後も大学進学直前まで通塾してくれていました。学ぶ姿勢が非常に良かった生徒でした。
阪大に進学した生徒は読書が好きだったようで、コロナの給付金10万円で本を50冊(古事記や万葉集など)買ったと話していました。英語、世界史の点数も高かったのですが、国語の点数がいつも安定していたので国語が受験での強みになっていたように感じました。
理科や社会でなくても、英語でも数学でも化学でも物理でもなんでも良いのですが、そのような教科があると高3時の負担が減ると思いますので、そのような教科を見つけてもらえればと思います。
② 習慣
GRITで英語力が上がる生徒は非常に多いです。皮肉ですが、GRITの最も多い退塾理由は「英語力があがった」というものです。得意といっても模試で他の教科より少し高いという程度で英検準1級もとれていない状況で得意というのは少し違うのではないかとも思うのですが「他のことがうまくいかない理由を結局GRITのせいにしているのでは」と個人的には解釈しています。現に英検準1級に合格している生徒はほぼGRITを退塾せず最後まで続けています。
少し話がそれましたが英語力を上げるために、また、そのほかのすべての教科の学習、ピアノやヴァイオリンなどの楽器、スポーツでも同じことが言えるのかもしれませんが、何かを上達させるために最も重要な要因は「習慣」だと考えています。したがって、定期テスト期間以外は毎週の学習量に関しては固定で、その量の学習を終えられない場合は補習という対応を行っています。
英語に関してはしっかりと管理して学習できていると思いますが、他教科に関してはどうでしょうか。中学生や高1高2の段階からすべての教科を一様に勉強する必要はないと思いますが、受験で負担の大きい英数に関しては後回しにせずに、毎週これだけの量をこの時間帯に学習するという習慣づけをしていることが望ましいと思います。
家で出来るなら家で、家でできないのであれば塾でやればよいのではないかと思います。5時に学校が終われば、6時頃には塾につきますので例えば平日週2回は6時~10時、日曜日5時間は塾で自習の日と定めて他教科の学習の日と設定すると週15時間弱は他教科の学習時間にとることもできます。(実際に阪大に合格した1名の生徒は高3の最後まで週2回英語+週2回他教科の自習というルーティーンを続けていました。)
厳しい言い方ですが、そのような努力もせず示さずに「英語は大丈夫だけど他教科を上げたいので塾を辞めます」というのは考え方が甘すぎるだろうと思います。
③ 図書館での勉強
数年前に和歌山市駅の図書館が改修・移転され、その頃から図書館で自習をする生徒が増えたように感じます。個人的な意見ですが「中高生が図書館で勉強するのはやめた方がいいのではないか」と思っています。生徒の皆さん、割と正直に図書館での学習の様子も伝えてくれるのですが、「6時間のうちの2時間はゲームをしていました」と話している生徒や「ほぼスタバで友達と喋ってました」と話している生徒もいます。以前も1名の保護者の方が「図書館での学習」に関して相談してくれ、「図書館で楽をすることを覚えた。電話した時はいつも友達の話し声、親や塾、学校を馬鹿にする下品な喋り声や笑い声が聞こえてくる」とおっしゃっていました。
以前東進のチラシにも「自習室」に対して否定的なコメントが掲載されていました。
どういった意図でそのように言われているのかはわからないのですが、実際の所GRITに関しては「図書館で勉強している」と話している生徒はことごとく他教科の成績が上がらず塾を辞めています。スマホも使え友達とも話ができて、親や先生の目が届かずに、そのような環境で出来る生徒もごく少数はいると思いますが大半の中高生は周りに流されるのではないかと思います。中高生で自由な環境を与えられそこをメインの主戦場とするのは…甘いですね。
④ スマホ不要
「スマホがいるか、いらないか」という部分に関してはなんとも言えない部分もあるかと思います。阪大に合格した男子生徒は受験が終わるまでスマホを持っていなかったようで、工学系の大学に進学した女子生徒は自主的にTwitterをアンインストールし高3の6月頃「先生、Twitterアンインストールしました。」と伝えてくれました。英検1級に合格した生徒は「次に1級不合格だったら、スマホを解約して、プリペイド携帯に変えてもらう」と伝え、プリペイド携帯を教室に置いていました。
私に関しては受験勉強を始めた高3の9月に携帯を解約しました。携帯電話に依存していたというわけではありませんが、携帯の使用料によって小遣いが変動するシステムだったので「どうせ使わないんだったらいらないのでは」と考え解約しました。生徒の中には「スマホを解約したら家族と連絡が取れなくなる」と話している生徒もいますが、先ほどお話したように学習で最も重要なのは「習慣」です。学校の終わる時間はだいたい決まっていると思いますので、特に寄り道などをしなければほぼ決まった時間に家に着くことができます。塾の延長に関しても仮に18:00-20:00が授業の生徒も普段から22:00まで自習するという習慣をつけていれば、特に連絡をとる必要もないだろうと思います。
⑤ 学習量
GW終盤の英会話の授業ですが、何名かの生徒が"I'm tired.(疲れました。)"と話していました。"Why do you feel tired?(どうして疲れているの?)"と尋ねると"I studied a lot. I studied for three hours.(たくさん勉強しました。3時間勉強しました。)"と答えたので、思わず"Only three hours, and you feel tired!?(たった3時間の勉強で疲れたの?)"と言ってしまいました。嫌な先生ですね…(苦笑) 時間だけがすべてではありませんが、学校のない日に3時間というのは、私のような大人でも3時間程は毎日勉強しているので、少ないだろうと思います。
これも「習慣」につながりますが、難関大を目指している生徒であれば、学校のある平日は最低でも3~4時間、学校がない休日は6~8時間、高3生は平日最低でも5~6時間、学校がない休日は13~15時間ほどの学習は必要だろうと思います。ただ、「学習時間=生産性」というわけでなく、スマホも触らず集中して学習している3時間とスマホを触ったり友達と喋りながら学習している3時間はまったく異なるので、学習時間に関しては自分の目標と自分の能力を照らし合せながら、考えれば良いのではないでしょうか。
文字で書くと冷たい印象を受けるかもしれませんが、決して怒っているわけではありません。今日も授業の1時間前に塾に来て課題に取り組んでいる生徒もいましたし、考えて行動しようとしている生徒も見かけます。しかし、まだまだ努力に対する認識が甘い生徒、自分の弱点・改善点を把握できていない生徒、楽な方向へ逃げようとしている生徒もいますので、英語を強みの教科としながら他教科の学習に関してもより良く学習できるように自分で考えてみてください。