IAE 英語塾GRIT

英検準1級・1級合格、難関大合格、語学留学、海外大学院進学を目指す和歌山市の英語塾・英会話教室

【6月19日】GRITの宿題と学習量

昨日の授業で高3生の1名の生徒が「自分の英語力は(良くも悪くも)技能に偏りがないと思います。」と話していたので「それだけGRITでしっかり学んできたということだと思いますよ。」と返答しました。その生徒だけではなく、多くの生徒が同じように感じてくれていると思います。普段のコミュニケーションの中の何気ない一言でしたがGRITの学習を象徴する一言で、重みのあるものでした。

 

GRITの宿題の量や学習はおそらく和歌山の他の塾や英会話教室とは比較できないだろうと思います。生徒から聞く限りでは7割ほどの塾では宿題が課されていないと感じていますし、GRITの個別学習と集団学習を組み合わせた学習スタイルもおそらく他の塾では行っていないと思います。特別感や優越感のようなものはありませんが「英語ができるように、英語が話せるように。」と突き詰めていくと今の学習量、今の学習スタイルに帰着し、改善点を修正していけば今後さらに良くなるとも思っています。

 

先日、日本最高峰の学習塾と言われている「鉄緑会」に関するニュース記事が上がっていて、鉄緑の中学生の生徒が課される宿題の量が掲載されていました。GRITを始めた際の1つの目安が鉄緑会でしたので、どの点が共通しているか、英語ができるようになるためにはどの程度の学習量が必要か、それぞれのユニークな点などを比較、考察したいと思います。

 

鉄緑会

 

開成や筑駒、桜蔭などの特待生組と、入塾テスト選抜組から構成される学習塾です。年間東大合格者(518人:2022年度)、理Ⅲ合格者(56名/定員100名)と圧倒的な東大合格実績を残しています。半数が東大に進学し、残り半数の生徒が旧帝や医大に進学しているようですので、旧帝や医大を目指している生徒や保護者の方は鉄緑の生徒の学習時間や学習スピードは1つの目安になると思います。

 

動画

 

インタビュー記事の元になっているのがこちらの動画です。

 

共通点としては

  • 宿題はそこそこ多い
  • 極端な先取りをしない
  • 基礎の徹底
  • 長い授業時間(1教科3時間)
  • 授業は常に1-2時間延長
  • 間違い訂正ノートの作成
  • 授業自体は緩い

 

などがありました。鉄緑の授業に似せているつもりはなかったのですが、力をつける学習の過程で似通ってくる部分はあったのかもしれません。

 

宿題について

 

宿題の量は多ければ良いというものでもなく

  • 何を目的とした宿題か
  • 宿題と授業が適切にリンクしているか
  • 学校の宿題と塾の宿題で無駄に重複している部分はないか
  • 週の宿題量に偏りはないか
  • 個々の生徒のレベルに合っているか
  • 学校の学習を圧迫する程の宿題を出していないか

 

様々なことを考慮に入れながら、全生徒の学習量が均一になるように宿題を出しています。塾の授業は多くて週2~3時間ですので、その2~3時間で最大の出力となるように、宿題の量や質は非常に重要だと考えています。

 

そしてもう1点、宿題に関して重要な点が学校の授業を聞かずに塾の宿題をする生徒を作らないことです。学校の授業が必ずしも対時間の学習パフォーマンスが高いかと言われればそういうわけでもないと思いますが、学校の授業中に塾の宿題をするのは学校の先生に対して失礼ですし塾の品位を下げることにもなります。学校の授業中に塾の宿題をしていると話している生徒もたまに見かけますが、「(その生徒の学力がいくら高くても)おそらくいずれ退塾するだろう」と思いながら見ています。真に優秀な生徒は学校の課題も塾の課題もバランスを取りながら両立させられます。それが出来ないと感じるならまずは「他の生徒がどのように両立させているか研究すること」「そこから改善すること」それでもできないと感じるなら「相談すること」です。

 

これが私の宿題や予習に対する認識です。

 

鉄緑会

 

それではまず鉄緑会(中学生)の学習量から見ていきます。

 

【鉄緑会】 

  • 15問程度の文法問題、10問程度の和文英訳
  • 長文問題×1~3題
  • 英検準2級程度の単語×50~100語
  • 条件英作文 1題程度
  • 英作文の表現、構成問題10題程度
  • リスニング問題10問程度
  • 英文10個と50語程度のパッセージを丸暗記して、授業中のテストで暗唱できるようにする

「鉄緑会に中学生から通うと…」東大受験塾の驚異の学習スピードに「中学生がやる量じゃない」(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

 

鉄緑はGRITと異なり2教科と認識しているのでその違いがあるかもしれませんしクラスによる違いがあるのかもしれませんが、個人的には「中学生としては学習量が少ない」という印象を受けました。暗唱の宿題に時間がかかるかもしれませんが、それがなければ2~3時間程で終わるのではないかと思います。インタビュー記事を読む限りでは高校生の学習量はもう少し多そうです。

 

GRIT

 

GRITのカリキュラムでは中3で高校基礎レベルの学習を1周終え、早い生徒は2周目、3周目を終える生徒がいます。継続して通っている生徒であれば中3(私立)で英検2級、中3(公立)で英検準2級~2級を目標としていて達成率は50~60%程度です。高1で英検2級を取得している生徒が多く、高2の夏で2級をとることができていなければ少し遅れているという状況で周りよりも少し頑張らなければならないと認識してください。英検準1級の合格者率(英検準1級を受験し卒塾までに合格できる生徒、中途退塾者除く)は70%~80%程度です。

 

今回紹介するのは中3で英検2級レベルの英語力を有している生徒と、高2で英検準1級レベルの英語力を有している生徒の1週間の学習量の例となります。

 

【GRIT中3生】

  • 英文法プリント4枚(英作文10題程度含む)
  • 長文1題(4技能)…海外出版教材
  • 長文1題(和訳中心)…国内出版教材
  • 英単語100~200語(スペルテスト)…英検2級単語帳
  • 自由英作文1題…英検2級英作文
  • 例文暗唱3文…英検2級スピーキング教材
  • レギュラー授業(110分)
  • オンライン英会話(25分)
  • ネイティヴ講師英会話(40分)
  • 日本人講師英会話(40分)

 

これが中3生が毎週コンスタントに行っている学習量です。季節講習は8回で講習期間はこの学習に加えて英検準2級や2級の過去問が8回分、単語帳1冊(意味テスト)、音読課題が課されるので夏期講習や冬期講習は学習量が少し多いなという印象は受けています。比較してみると鉄緑よりはやや多いようにも感じます。

 

【GRIT高2生】

  • 英作文プリント2枚…標準レベル
  • 英単語150~250語程度(スペルテスト)…英検準1級単語帳
  • 長文1題(4技能)…海外出版教材
  • 和訳プリント4枚
  • リスニング(予習40分程度)…海外出版教材
  • レギュラー授業(110分)
  • オンライン英会話(25分)
  • ネイティヴ講師英会話(80分)
  • 日本人講師英会話(40分)

 

中学生から継続し通っている生徒に関しては高1の終わりには高校学習内容の文法学習を終えています。単語の学習の時間が増え、リスニング/英会話の学習に力を入れています。英作文の学習に関しては日本でもトップクラスと自負しています。季節講習は12回で、12回分の英検準1級の過去問と英検準1級レベルの単語の意味テスト、そして音読課題がありますので季節講習中は少し学習量が多いなと感じます。

 

生徒も保護者の方の多くもGRITの学習量が多いと感じていると思いますが、普段のGRITの高校生の学習量は少ないです。おそらく多くの生徒が誤解しています。高校生の学習量を少なく設定している理由は「自分で考え行動するための余白」そのように考えているからです。

 

高校生の学習は「親に言われて」「先生に褒められたいから(怒られたくないから)」「宿題で出たから」という過半数の中学生が持つ外在的な学習動機から「自分の意志で英検や大学に合格したい」という自己実現の学習動機の移行期間です。誰かから言われたことしかできない学習は必ずどこかで成長が頭打ちになります。生徒から嫌われるとわかっていますが「具体的に何をしなさい」と言うわけではなく「プラスαの学習」「改善」と繰り返し伝えているのもそのような理由です。

 

例えば、英検準1級を目指す生徒の鬼門はリスニングです。共通テストより数段レベルが高く、準1級の過去問を繰り返すことは必須です。しかし、過去問を繰り返していてもせいぜい過去問止まりで、プラスαの学習が必要となります。

 

では塾から追加の課題を与えるべきか。準1級レベルに達すると塾から与えられた追加の課題を行うのはプラスαの学習とは言えません。それでは「洋画を見るか?→1ミリも理解できない」「海外のニュースでも見るか?→5%程しか理解できない」、ではどうすれば良いか。本気で合格したいと考えていれば、試行錯誤を繰り返しながら必ず解決法が見つけられます。何もかも課題を与えるのは過保護で、その後の人生を考えると良いものを生み出さないと感じています。

 

なかなか伝わりにくいかもしれませんが、それが高校生の生徒に求めている学習です。少数ですがそれができる生徒はいますし、年度にもよりますが共鳴し合える集団もあります。他の学年の生徒は気づいていないでしょうが、高3生の生徒が少しずつその姿を示してくれているので下の学年(特に高2生や高1生)の生徒はしっかりその背中を見て続いてほしいですね。

 

脱線しましたが中学生の学習量は鉄緑会よりもやや多い高校生はおそらく少ない。高校生の学習を成功させるキーワードは、「自分の意志」「プラスαの学習」「改善」「試行錯誤」です。鉄緑と張り合う必要はないかもしれませんが、単科でやらせてもらっている塾ですので1教科だけでも彼らと対等に勝負し合える教科にしたいと思っています。

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