今週、生徒に指導した内容を少し紹介します。学習内容は生徒によってさまざまで「文法」「語法」「ライティング」「リスニング」「スピーキング」、ほぼ全ての技能を指導しています。今週、どのような学習を行ったか、1つずつお話していきます。
文法(to不定詞と動名詞)
to不定詞はto+動詞の原形で①名詞的用法「~すること」②形容詞的用法「~するための」③副詞的用法「~するために」、動名詞は動詞にingがついて「~すること」と動詞が名詞になる。また、to不定詞の名詞的用法と動名詞が「~すること」とほぼ同じような意味になる、ということは学校でも学習しますしYoutubeの動画でもうまく説明されています。
GRITでは以上の内容に加え、以下のような内容を教えています。
中学生の生徒
中学生の生徒にはまず基本を教えています。
「to不定詞とはそもそも何か?」「『不定』とは何か?」「文法的にどの項目にも当てはまらない"to"の正体は何か?」「ネイティヴは不定詞をどのように捉えているか?」「to不定詞はなぜ『未来』のニュアンスを持つか」「to不定詞の名詞的用法と動名詞の違いは何か?」
高校生の生徒の場合
高校生で学習する不定詞は最も学習内容の多い文法項目ですが、グルーピングしてみると非常に学習しやすくなります。
①不定詞の基本
- 基本3用法
- 副詞的の5つの用法
- 不定詞の完了形・受動態・進行形・否定
②不定詞の前に意味上の主語を置く
- It is 形 for( of ) 人 to ~
- want 人 to の形をとる動詞(allow, enableなど)
- 知覚・使役動詞+人+原形不定詞
③不定詞を用いた表現
- be to不定詞
- so that / too to / enough to の書き換え
語法
meet 人とmeet with 人
中学生の生徒にとって語法は非常に難しく感じているようです。vitistの後にtoをつけて間違える生徒、meetの後にtoをつけて間違える生徒、happenの後に直接名詞を書いて間違える生徒、特に動詞の使い方が難しいと感じているようです。
1名の中2生の生徒とmeetの話になり、meetは基本的にはそのまま後に名詞を続けると教えました。中学生の学習レベルを超えていますが、「偉い人」が続く場合は"meet with 偉い人"のようにmeetの後にwithを置くこともあると指導しました。(中学生の生徒にもわかるように『偉い人』と説明しています。)
meet withの形では中学生や高校生の教材でなかなか出てこないので簡単な説明程度で終わったのですが、Japan Times Alpha Jという中高生を対象とした英字新聞でこの表現が使われていました。
たまに英字新聞を模写することがあるのですが、模写しているとmeet with ~ officials(~の高官と会う)という表現があり少し驚きました。下から2行目です。
模写しないと気づかなかっただろうと思うので、書く学習は大事ですね。
every one
中3生の1名の生徒から「everyoneがevery oneのようにeveryとoneが離れているものを教科書で見たのですが、何ですか?」という質問を受けました。その時に教科書がなかったので直感で「『every one of ~』という形では見たことがあると思います。強調しているんですかね。一度調べてみます。」と返答したのですが、概ね合っていました。
every one ofの意味・使い方|英辞郎 on the WEB (alc.co.jp)
actually
1名の生徒が”actually(実際は)”という単語を英作文で書いていました。actuallyを英作文を使うこと自体は間違いではないのですが、イギリスに住んでいた頃に口語的にactuallyを使っていて、個人的にはactuallyは口語で使うことが多いというイメージを持っています。
生徒とactuallyを調べているとやはり「スラング」として用いられていると様々なウェブサイトで紹介されていていました。actuallyを使わなくてもin factやindeed, as a matter of factで代用できるということも話しました。
Actually(アクチュアリー)の意味と使い方を例文付きで解説! | オンライン英会話のECCオンラインレッスン
英作文
1名の生徒が「ジムは健康を保ち、人間関係を構築する場になる。」という英文を書こうとしていたのですが、うまく書くことができていませんでした。私も少し悩んだのですが"Fitness centers play a role as places to socialize with others as well as do exercise."という表現を紹介しました。若干の違和感があったのでChatGPTで確認してみると「ほとんどあっていますが、もう少し読みやすい形にすると"Fitness centers serve as places to both socialize with others and exercise."となります。」という修正が入りました。
発音
GRITでは発音の指導も行っています。夏期講習では音読学習の中で、「発音記号」や「アクセント」の学習を行います。現在、高3の生徒が共通テストのリスニング教材を用いて発音の学習を行っていますが、発音記号やアクセントではなく「音声変化」の学習を行っています。
例えば、When I was a child, ~.という英文は「ウェン アイ ワズ ア チャイルド」と発音するのではなく「ウェナィワザ チャイル(ドゥ)」と音がつながって発音され、5語の単語というよりは1,2語の単語のように発音されます。音はつながるだけではなく、I went to the city.という英文は「アィ ウェントゥ ザ ̪スィディ」のような発音になり、wentとtoのtとtが同じ音になるので1つのtの音が消えたり(専門用語では消失といいます。)、cityのtの音が「ディ / リィ」のような発音になります。(専門用語では弾音と言います。)
この音声変化を理解し使いこなせるようになると、英語の発音が良くなりますし、句や節単位で英文を読んだり音をとることができるようにもなるのでリスニング力もリーディング力も向上します。
私は発音に関しては"Matering the American Accent"という教材と"Pronunciation in Use"という教材を使って学習し、大人になってからも幼児向けの発音教材(”Smart Phonics"や"フォニックス・ワークブック")を使って発音を学習していましたが、Youtubeの動画もいくつか使いました。
リスニング
高校生内容の文法学習を終えた生徒はいよいよ準1級に向けた学習になります。準1級に向けた学習でGRITで取り入れている学習が「海外ニュース」です。最近、The Economistの動画を視聴しましたが、英検準1級レベルの単語が多く使われていて英文も非常にフォーマルですのでライティングやスピーキングの対策では大いに役立つだろうと改めて感じました。
2名の生徒に、「海外のニュースと言っても様々です。今の自分の英語力で聴きとることのできる海外ニュースを探してみてください。」という宿題を与えました。
英語圏のニュース
個人的な感覚ですが、英語圏のニュースは非常に難しいです。よく視聴する(していた)ニュースをいくつか紹介しますが、英語圏のニュースは英語圏の方を対象としているので英検準1級を目指す中高生の生徒は厳しいのではないかと思います。
- BBC(イギリス)
- CNN(アメリカ)
- CBS(カナダ)
- Global News(カナダ)
これも個人的な感覚ですが、英語圏のニュースでも次の2つに関してはBBCやCNNよりも聞き取りやすいと感じています。
- The Economist(イギリス)
- Financial Times(イギリス)
非英語圏のニュース
非英語圏のニュースは英語圏のニュースよりも聞き取りやすいと感じています。よく視聴する(していた)ニュースをいくつか紹介しますが、中には英検準1級を目指す高校生でも聞き取ることができるニュースもあるのではないかと思います。
- Al Jazeera English(カタール)
- WION(インド)
- CNA(シンガポール)
- DW News(ドイツ)
Al Jazeeraはカタールの国営放送で中東やアフリカ地域のニュースが多いです。
CNAはシンガポールのニュースです。シンガポールは世界で最もIQの高い国で教育水準や文化水準も非常に高いイメージを持っています。実際に、ニュースを視聴していても、紛争関連のニュース一辺倒ではなく、シンガポールの教育・文化に関するニュースが多いので文化水準の高さがニュースから伝わるような気がします。明るいニュースも多いので個人的に好きなチャンネルです。
DW Newsはドイツのニュースですが私はニュースよりも1時間程のドキュメンタリーを視聴することが多いです。最近では「モナリザの謎」に関するドキュメンタリーを視聴しましたがモナリザが実際に2枚あるという話は面白かったです。
興味深いお話なので、日本語の記事も紹介します。
2枚目のモナ・リザ『アイルワースのモナ・リザ』とは? | エピネシス (epinesis.net)
教育系・その他
世界の主要メディアが英語学習者向けに動画を配信していたり、学術機関も英語圏・非英語圏に向けて動画を配信しています。
- National Geographic(アメリカ)
- BBC 6 minutes English(イギリス)
- BBC News Review(イギリス)
- VOA(アメリカ)
- TED Ed(アメリカ)
National Geographicは雑誌も出版していて私も購読しています。(教室に40冊程置いています。)
少し前に「ノアの方舟」に関する動画を視聴しましたが、面白かったです。大洪水で神が一組の動物とノアの家族が乗ることのできる方舟を与えたというのはほぼほぼ100%架空の話ですが、何千年も受け継がれてきたお話ですので何らかの元になった出来事があるという考えも一理あるように感じます。
英語学習者に最もおススメのチャンネルがBBC News Reviewです。ニュース記事からニュースのキーワードになる単語を取り上げ、解説しています。時事も語彙も合わせて学ぶことができます。
BBC 6 minutes Englishも有名なチャンネルです。通勤中、夜の遅い時間に歩いていたのですが、前に歩いていたお兄さんのイヤフォンがうまく接続されていなかったのか、6 minutes Englishの音声が大きな音で流れていて「あっ、お兄さん6 minutes English聞いている」と気づき少しほっこりしました。
VOAは音声が遅すぎて逆に聞き取りづらいです。
TED Edは知的好奇心を刺激するトピックの動画が多いです。アニメーション形式になっているので非常に理解しやすいですし、英検やIELTS、大学入試にも関連するトピックも多い(むしろここから出題されているのではと感じることもあります。)ので、試験対策にもなります。
この動画はケチャップの歴史に関する動画ですが、どこかの大学の入試問題でそのまま出題されていたような内容でした。
スピーキング
土曜日の夜に主に高校生の生徒を対象にリスニング/英会話の学習を行っています。外国人講師の授業が80分、私も40分で担当していますが、基本的にはオールイングリッシュで行っています。
先週の英検2級の生徒を対象としたクラスでは"a trend(長期的流行)"と"a fad(短期的流行)"の違いを学び、オーガニックフードが短期的流行ではなく長期的流行になりつつあるという話を学習しました。
だいたいですがこの程度のレベル感の単語や内容を英語で行っています。
I told my students that it would be better to memorize definitions and data, because this information is useful when they write English essays. For example, in the previous lesson, they learnt the definition of organic food and the change of worldwide sales of organic food.
They learned the definition of organic food as "the food which is grown without using artificial fertilizers and chemicals.", and they learnt that worldwide sales of organic food rose from 16.2 billion dollars in 1999 to 90 billion dollars in 2016."
If the topic "How has the diet changed in the last few decades?" is given, you could use the phrase and the data that they learnt. They might write, "Organic food has become a global trend in the past twenty years. Organic food is the food which is grown without using artificial fertilizers and chemicals, so organic food is believed to offer health benefits. With the rise of health awareness, the sales of organic food are soaring. In fact, worldwide sales of organic food rose from 16.2 billion dollars in 1999 to 90 billion dollars in 2016. "
If they retain the information from the lesson, all they need to do is simply copy and paste, which provides a significant advantage in writing.
和訳は翻訳を使いました。
(私は生徒たちに、定義やデータを暗記した方が良いと伝えました。なぜなら、この情報は英語のエッセイを書く際に役立つからです。例えば、前回の授業では、生徒たちは有機食品の定義と、世界の有機食品の売上の変化について学びました。
彼らは、有機食品の定義を「人工肥料や化学物質を使わずに育てられた食品」として学び、世界の有機食品の売上が1999年の162億ドルから2016年には900億ドルに増加したことを学びました。
もし「過去数十年で食生活はどのように変化したか」というテーマが与えられた場合、彼らは学んだフレーズやデータを使うことができます。例えば、「有機食品は過去20年間で世界的なトレンドになりました。有機食品とは、人工肥料や化学物質を使用せずに育てられた食品であり、健康に良いとされています。健康意識の高まりに伴い、有機食品の売上は急増しています。実際、世界の有機食品の売上は1999年の162億ドルから2016年には900億ドルに増加しました。」と書くことができるでしょう。
授業で得た情報を覚えていれば、ただそれをコピー&ペーストするだけで済み、それがライティングにおいて大きな利点になります。)