前回の記事でGRITで行っている英語学習についてお話しました。記事でお話したように英語の指導にフォーカスすることができれば良いのですが、そうではないのが現実です。
特に夏休みが明けてから生徒の様子が少しおかしいと感じていて、今週だけで当日連絡の授業欠席が9件、先週の日曜日は中学生の生徒の8割、高校生の生徒の5割が再テストで延べ50枚ほどの再テストを作りました。毎年夏休みが明けて9月は調子の悪い生徒が多いのでそこまで深刻には捉えていないのですが、何も言わないわけにもいかないので今週も厳しい話が多い週になりました。
欠席と振替
GRITは当日欠席連絡の振替を認めているのでその件で四の五の言うのはアンフェアです。欠席の理由もそれぞれで忌引きやインフルエンザのようにやむをえないものもあります。ただ、振替授業は無制限に受講できるものではありません。振替授業には人件費が発生していて、場合によっては1回の振替授業で数千円の費用がかかります。9名が同一週で欠席した場合万以上の赤字が出ていて振替の費用は私のポケットマネーから出ています。当日欠席の多い生徒対して、「実際にはそういうことが起こっている。欠席はやむをえない場合もあるかもしれないが無制限に振替ができるものでもない」、ということを伝えました。
規則を厳しくすれば虚偽の報告をして休む生徒も出てくるでしょうし、振替のシステムをなくせば困る生徒も出てくるでしょう。さらに振替授業が溜まれば後で大変な思いをするのも自分自身で他教科の学習に影響が出るかもしれません。社会に出て仕事をするようになっても同じです。自分が当日欠席することで、自分が想定する以上の影響が出るものです。欠席をすることで何が起こるか考え、本当に休むべき時に休むことができるように、安易な欠席は控えましょう。
翻訳機
中学生の生徒の過半数は家庭での宿題で翻訳機を使用しています。夏期講習で3名(全員中2生)、翻訳機を使っている生徒を見つけたので注意しました。注意されなかった生徒でも私は英文を見れば気づくので心当たりのある生徒はやめた方が良いだろうと思います。
生徒に「インターネットは使い方次第で賢くも馬鹿にもなる。ほとんどの中学生は馬鹿になる方でしか使えないので、使わない方が良い。」と伝え、どのような使い方が賢いインターネットの使い方か、どのような使い方が馬鹿になる使い方か、考えさせました。
身だしなみ(服装・靴・姿勢等)
先週は3名(中1生、中2生、高1生)の生徒に対して靴に関して、1名の生徒(中2生)に対して制服のシャツについて、1名の生徒(中2生)に学習の際の体の姿勢について注意をしました。スリッパを履く、制服のシャツを入れる、正しい姿勢で学習するのは当たり前のことですがそれがしっかりできていない生徒は非常に多いです。
実際に身だしなみと学力の間に関連はないと思いますが、服装や私生活が乱れている生徒の書く英文は雑で乱れていることが多く、ケアレスミスで文法テストや単語テストが不合格になることが多いです。解説するまでもないですが、私生活のきちんとすべきところできちんとできていないわけですので、英文に対しても同じような考えを持っているのも当然です。実際に注意された生徒の全員が文法・単語テストに不合格でした。
あいさつに関してもなぜそうなるのかはわからないですが、あいさつがきちんとできない生徒は小テストで不合格の生徒が多いように感じます。あいさつなど、小テスト云々に関係なくやって当然なのですが。
遅刻
遅刻ではないのですが、1名の高2生の生徒が授業時間ちょうどに塾に来ました。GRITの英会話授業は移動教室ですので、授業時間ちょうどに教室に入ると英会話の学習に遅刻することになります。「夏は汗もかくし、水も飲むでしょう。気持ちや体を落ち着かせるのも時間がかかります。授業時間ちょうどに来るということは遅刻してるのと同じことだよ」と初回は丁寧に伝えたのですが、翌週も同じように授業時間ちょうどに教室に入ったので厳しく話をしました。根本は「英語力を上げようとする意識がないからそういうことを繰り返し何も思わないのだろう」と伝えると「はい」と答えていました。
宿題①
宿題のクォリティも問題の1つです。宿題のクォリティが低ければ私はその宿題を受け取らないので自分が家に帰るのが遅くなるだけです。宿題を返すと明らかに不服そうにしていた生徒がいたので1名の高1生の生徒に対して「聞いたこともないような日本語でトンチンカンな和訳をしているのでそりゃそうなるでしょう。・・・英語力を上げるためにはどうしなければならないか」と問いました。「英語力は海外の教材を使えばあがるものでもなければ、オールイングリッシュの授業を受ければあがるものでもなければ、すごい先生から学べばあがるものでもなければ、最新の機器を使えばあがるわけでもなければ、広い教室を使えばあがるものでもない。極論、英単語、アルファベットに至るまで時間をかけ真剣に誠実に向き合うこと。それに尽きます。」と話しました。別の1名の中2生にも夏期講習期間に似たことを話していて「悔しいですが英語力がすぐに上がる魔法の薬はありません。1語1語、1問1問丁寧に向き合って積み重ねていく他ありません。」と伝えました。
宿題②
今日の授業では別の高1生の生徒、中2生の生徒に対し「なぜ、間違えた問題に対して辞書も文法書も使わないのか。なぜ、時制や3単現を間違えた状態で『直した』と言えるのか。なぜ自分の間違えた問題と類題と比べ直せる問題を自力で直そうとしないのか」と話し、中2生は不定詞を学習している生徒が多いのですが「いつかできるようになると思っているかもしれないが、不定詞は3年の最初、3年の途中で発展の内容を学習します。中学生であと2回しか不定詞を学習するチャンスがない。それで覚えられなければそのまま高校生内容の学習内容に進むことになります。今回で何が何でも覚え切るという気持ちで取り組むように」と話しました。
目に見えない問題
今お話した内容は目に見える問題でわかりやすいです。問題はむしろ目に見えない問題です。例えば、文法や単語テストに合格している生徒でも応用問題をうまく飛ばして合格している生徒がいます。少し前に中2生の生徒に対して注意し、今日も高2生の生徒に対して注意しました。
また、「高校3年生でオープンキャンパス」というのも実はかなり後手後手の状態です。オープンキャンパスへ行った数日間は勉強をしていない、勉強時間がかなり減っていると思います。2日オープンキャンパスへ行けば24時間分(1日12時間×2日)、学習時間を失っています。2年前に生徒と一緒に世界史を30時間程学習しましたがその後の共通テスト模試/京都産業大学の過去問それぞれで6割程とることができたので、30時間はそれほどのインパクトがあります。
また、私立の高校は共通テストが終わってから2次試験までの間に卒業式がありますが、卒業式が終わってから友達と食事へ行く(そのため塾を欠席したい)と話していた生徒がいました。「気持ちはわからなくもないが、それは今やらなくてもいいのではないか。特にC判定やD判定だと、1分でも1秒でも長く勉強しなければならないだろう。それで塾を欠席するのは違うと思うよ。」と伝えたこともありました。
一見、「小テストが合格しうまくいっている」「卒業式後友達と食事」「オープンキャンパス」のように常識の範疇に思えることでも実は受験を中心に考えれば常識ではないということもよくあり、本人はそれが問題と気づかないことが多いです。もちろん何が基軸に来るかは「学年」「現在の学力と志望校の差」「試験までの残りの日数」「家庭の方針」でも変わりますので一概に何が「常識」と結論づけることは難しいですが。
前回の記事で登場した生徒はこちらの記事では登場していません。出来ればこちら側の記事で登場するのではなく、次回は英語学習の方の記事で登場できるように意識と行動を変えましょう。