IAE 英語塾GRIT

英検準1級・1級合格、難関大合格、語学留学、海外大学院進学を目指す和歌山市の英語塾・英会話教室

十五夜

 

前哨戦

 

中3の1名の生徒が「模試を受けてきました。」と話していました。中高一貫の生徒が多いので特に深い意図があって受けてきたわけではないと思うのですが、「高校受験っておっかないですね」とそのようなことを話していたので「大学受験はもっとすごいですよ。」と釘を刺しておきました。

 

私は公立中学公立高校組ですので高校受験を経験していますがGRITの生徒の8割程は高校受験を経験しません。高校受験がないのは高校受験では有利かもしれませんが、おそらく大学受験では不利です。したがって、高校入試に代わる何か(部活動でトップを極める、ピアノやギターなどの習い事で入賞する)に挑戦すべきで、英語に関しては「英検準1級や1級は入試の前哨戦、そこで勝てば大学入試で勝つ確率も上がる」と生徒に伝えることもあります。

 

関係代名詞の非制限用法

 

昨日は1名の高1生と「関係代名詞の非制限用法」について話をしました。関係代名詞の中でも難しい学習範囲の1つで、理解できていない状態の学生も多いのではないのでしょうか。その生徒が"I saw the moon, which was beautiful.(私は月を見て、それは美しかったです。)という英文を書いてきたので「その使い方は正しいです。・・・明後日(9月17日)は十五夜で1年で一番月が綺麗に見えるよ。」と付け加えました。日常の会話ですが、「非制限用法の話をしたときに、『十五夜』『月』の話をした」と覚えてくれているとその会話がどこかで役立つような気がします。

 

ここからは部分的には生徒に話していない内容ですが、制限用法と非制限用法の違いが何か。1つの覚え方のヒントは海外の教材にあります。海外の教材では「非制限用法」とは解説されておらずに、"extra information clauses(追加情報節)"と題されています。感覚的には、「昨日京都に行ってきたんだけど、京都本当に最高だったよ!」と日本語でも後付けで説明するようなことがありその感覚です。

 

また別の捉え方としては制限用法は比較対象があります。例えば"I went to some temples which have a long history.(私は長い歴史を持ついくつかの寺へ行った。)"という英文があったときに、some templesの中には「長い歴史を持つものもあれば、そうでないものもある」と比較対象があります。したがって”I went to some temples which have a long history.”の英文の真の日本語訳は「私は寺に行ってその中には古いものもあればそうでないものもある。」という感覚です。

 

では「私は長い歴史を持ついくつかの寺へ行った。」と、行った寺のすべてが古いと説明したいとき、"I went to some temples, which have a long history."とするか"I went to some temples that have a long history."となります。非制限用法ではthatを用いることができないと学習しますが、that自体に非制限用法のようなニュアンスがすでに入っています。

 

一方で冒頭でお話した「月」のお話ですが、私たちが「月」と認識しているものには比較対象がありません。したがって、「月」や固有名詞は非制限用法が用いられます。(月に関しては木星は90程の月(衛星)があるので文脈によっては制限用法になります。)

 

nightになぜtheをつけないか

 

「比較対象」という話をしたので、先週末に高3生の生徒と話した内容を紹介します。中1で"in the morning""in the afternoon""in the evening"という表現を学習しますが、なぜかnightにはtheをつけずに"at night"となります。その理由がわからずに高校生になり受験が終わり理解せずに終わっていく学習者がほとんどだろうと思います。このtheは比較のtheと言われています。受験で決定的な違いを生み出すような知識でもないので説明する必要もないかもしれませんが"at the midnight"と間違えた表現を使っていたので、nightになぜ"the"がつかないか解説しました。

 

まず「nightの指す時間」ですが夜の12時頃から翌朝6時頃となっています。今でこそ私たちは夜に活動することができますが、電気がなかった時代、人間は夜に活動することができませんでした。したがって人間が活動できる"morning, afternoon, evening"この3つは比較することができますが、nightは人間がそもそも活動しないので比較するものがないということからtheがついていません。

 

theは他にも「総称のthe」「環境のthe」など使い方は様々で奥深いです。

 

なぜ英単語には"e"で終わる単語が多いのか

 

先週の外国人講師が担当する英会話の授業で「アルファベットしりとり」をしていました。eで終わる単語が多くなると私はわかっていたのですが、生徒もeで終わる単語が多いと気づいたと思います。

 

実はそれにも理由がありすべての英単語の2-3割はフランス語由来でフランス語がeで終わる単語が多いからです。世界史で学習すると思いますが200年程イギリスはフランスの植民地の時代があり公用語がフランス語でした。

 

フランス語に関しては面白い話があり、restaurantもフランス語由来の単語です。スペルと発音があっていないので覚えにくいですね。特にauのスペルは「オ」と結びつかないのでここの部分が難しいと感じると思います。この「オ」を理解するヒントは「カフェオレ」になります。カフェオレは響きがとてもおしゃれでこの単語もフランス語です。実はカフェオレは3つの単語から成りたっていて"cafe au lait"と表します。cafeは英語ではcoffee、auは英語のand、laitはmilkで英語で書くと"coffee and milk"、日本語ではコーヒー牛乳です。カフェオレはおしゃれですが、日本語訳するとコーヒー牛乳で少し拍子抜けします。この知識があると、少しはrestaurantのスペルも覚えやすくなるかもしれません。

 

生物の進化と退化

 

先週私が担当した英検準2級レベルの英会話クラスでは、動物の区分(哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、昆虫)とその違いを英語で学び、リスニングやディスカッションを行いました(授業の85%程度は英語で行われています。)英語で生物の授業をしているようで面白かったですね。

 

復習ですがこの6つの英単語をしっかり覚えてくださいね。

  • mammal(哺乳類)
  • bird(鳥類)
  • fish(魚類)
  • reptile(爬虫類)
  • amphibian(両生類)
  • insect(昆虫)

 

飛べなくなった鳥やクジラには足があったという話も紹介しました。

 

諦めるな

 

1名の生徒が「英検2級の問題を解いて最初の5問で出てくる単語がわからなくて…点数が悪かったです。」と話してきました。「最初の5問が解けなくても最後まで諦めるな。後半で解ける問題があるかもしれない。」と話をしました。英検も共通テストも、単に英語力が高ければ高い点数をとることができるものでもなく、集中力や背景知識誤答に飛びつかない判断力や最後まで諦めない力、様々な力が求められ英語力はそのうちの1つです。

 

特に共通テストは問題数が多いので最後の方の問題は適当にマークをしてしまう生徒もいると思いますが、実は最悪英文を読まずとも問題文だけを見て半分程度も問題に正答することは可能です。

 

今高3生の授業で共通テストの予想模試を使っているのですが、最後の英文を読まずに問題文だけ見て何問正答することができるかどうか試してみました。本当は1回分だけやるつもりだったのですが、解く問題を間違えてしまったので2回分解くことになりました。

 

第1回

44〇

45×

46〇

47×

48〇

49〇

 

第2回

44〇

45〇

46〇

47×

48〇

 

おそらくですが、共通テストの最後の英文は10回中10回英文を読まずとも50%以上はとることができるでしょうし、平均で60%程の点数はとることはできるのではないかと思っています。

 

英文を読まずに解く力

 

例えば「インターンシップ」に関する英文がありインターンシップの利点に関する問題が出題されたとき、「企業は無料の労働力を活用できる」「企業は優秀な学生を囲うことができる」という英文が含まれている時当然不正解になる確率が非常に高いです。実際の所そのような認識でインターン生を採用している企業はあるでしょうがそれは教科書の答えではありません。インターンシップの利点は「学生が企業の実際の姿を見ることができて、経験をつむことができる。」というのが教科書通りの解答でやはりそのような内容が書かれているものが正解になることが多いです。

 

「そんなこと当たり前」と思う方がほとんどですが、6題も7題も英文を読んでいると注意力が散漫になりその当たり前の解答でも外してしまいますし、中には「インターン生が無料の労働力」という考えに同意するトンチンカンな考えを持つ高校生もいるかもしれませんがそういったずれた人間性を持つ学生を大学は求めていませんので、大学入試(特に2次試験)で測られているのは英語力だけではありません。特に自由英作文では、その生徒の人間性のようなものが垣間見えるので学生生活を誰とどう過ごし何を達成しこれから何を達成しようとしているか、そういった面も測られています。

 

話を戻しますが「インターンシップ」というキーワードからストーリーの流れが想像できるように、キーワードから話の流れはある程度想定することができます。

 

例えば「エギゾティックな希少動物」がトピックの場合どのようなエンディングが予想されるか、「言語」がトピックの場合どのようなストーリーを想像することができるか、「イルカ」がトピックの場合どのようなストーリーを想像することができるか、「squid(イカ)」が英文で出てきた場合どのようなストーリーを想像するとこができるか、「バタフライエフェクト」「e-coli」「ガリレオ衛星」「衛生仮説」「トロッコ列車」それぞれが入試でよく出てくる言葉ですがその言葉を聞いて話のイメージを膨らませることができるでしょうか。

 

知識を増やし組み合わせ、それを自分の持つ常識と比較し、逆張りせずに素直に教科書の解になりそうなものを選んでいくと英文を読まずに解くことの出来る問題も非常に多いです。

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