IAE 英語塾GRIT

英検準1級・1級合格、難関大合格、語学留学、海外大学院進学を目指す和歌山市の英語塾・英会話教室

学力の再構築

今日は高校生の生徒に対し「スマートな学習」について問いました。

 

生徒が何か大きな失敗したわけではないので「怒っていないです(むしろ伝えた言葉がしっかり届く信頼できる生徒層だから話をしました。)」と伝えた上で、「ただ、このまま皆が抱える問題を問題のまま何も変えずに勉強を続けても横ばい、せいぜい学年順位で上から1/3(200名中60位程度)にいることになると思う。そして今後英検準1級にもぎりぎり合格できずに終わる可能性が高い。これから入試、英検が続くので結果を出すことのできるように自分がスマートに学習できているか、考えてみよう」と問いました。

 

「スマートな学習」の対立概念は「スマートでない学習」で、実はスマートな学習よりもスマートでない学習の方が生徒にとっては身近なことが多いのでまずは「スマートでない学習とは何か?」ということを問いました。

 

以下3つは生徒からの意見、4つ目の「時間」に関しては生徒から出てきた意見に対して少しコメントを加えています。

 

単語テストの前日から勉強を始める(原因:時間がない)

  • 脳の構造上、短期の詰込みの暗記は「忘れる」ようになっている。直前の勉強で小テストに合格するためだけの学習ではなく、月単位、週単位で学習計画を定め繰り返し学習を行い長期記憶に結び付ける学習。他教科の記憶にかかわる学習に関しても同様。

 

なぜ、テストの範囲しか勉強しないのか(原因:時間がない)

  • 例えばUnit3が今回のテスト範囲であれば前週に学習したUnit2の復習や翌週に学習するUnit4の予習も行うべきではないか

 

学習の硬直化(原因:時間がない)

  • 言われたことだけを行う学習。なぜ学習した内容を振り返り、好奇心をもって学習を発展させないのか。英語に関しては文法・単語・リーディングのような独立した学習ではなく、様々な要素や技能が組み合わせることで長期的にはより効果的な学習に。また、英語と理科や社会の知識が合わさることで、それぞれの教科の学習効果も高められる。

 

時間がない

  • 時間は1週168時間、皆等しい。「時間がない」のではなく、「時間の有効活用を妨げるボトルネック(目に見えない阻害要因)が存在。例えば、スマホ、SNS、ゲーム、放課後のおしゃべり、ファストフード店での外食。勉強中の集中力の欠如など」あるいは「優先順位のつけ間違い。例えば、進学校の生徒であれば学業>部活が望ましいが部活>学業と逆転している生徒。また、日曜日に遊ぶということを第一義として平日に詰めて勉強している学習の目的をはき違えている生徒。」

 

様々な問題が「時間がない」に帰結するように感じていますが、個人的な考えですが「時間がない」のは「習慣化できていない」ということがその原因で、ではなぜ「習慣化できていないか」というのは「日々の生活が不規則だから」ということが真因だと思っています。当然、不規則な生活に流されるまま生活をしていると習慣化には至らないので、不規則な生活に流されている多くの学生は小テストや定期テストの前に詰め込みその場しのぎの学習を行っている、一方で上位層の生徒は不規則な生活の中自らを律し高い成績を収めている、中上位層と上位層の生徒の違いの1つだと考えています。

 

塾の意義は様々ですがその点において特に偏差値60-70レベルの中上位層の生徒に関しては内発的動機に基づいた規則正しい自学自習が学力の向上に重要な役割を担い、塾の自習スペースの意義は大きいのではないかと思います。そして自習に関しても定期テスト期間だけではなく、定期テスト期間外でどれだけ規則的に行うことができるかが他の生徒と差を広げることにつながり、中にはそのことに気づき実行している生徒もいます。

 

こちらも個人的な感覚ですが、下位層と中位層の間では学力の差は大きいと感じています。つまり、一般的にはIQや頭の良さが点数に反映されやすいと考えています。一方で、中上位層と上位層の間で学力の差は狭く、一定のIQ水準に達している上で「内発的動機付け、不規則な日々の生活を習慣化に至らせる意志の強さ、そこから生じる学習量の差」が点数の差につながると感じています。その点でまだGRITの生徒は上位層に入ることができない、そして意識を変えなければ今後も入ることはできないと感じ、学力の向上を「知力」「意志」「時間」「生活」の四面から見直させ、中上位層から上位層へのステップアップに、一度考えるきっかけとなればと思い話をしました。

 

※学力と影響要因(文献のまとめ)

偏差値が上がるほどIQ寄与率が下がり、集中力や習慣化のような非認知寄与率があがる。"ceiling effect theory(上位層の飽和効果理論)"

 

下位層(偏差値40〜50)

  • 読解力・記憶力・基礎IQ
  • IQ寄与率・非認知要因寄与率(約70%/約30%)

 

中位層(偏差値55〜60)

  • IQ+努力 
  • IQ寄与率・非認知要因寄与率(約50%/約50%)

 

中上位層(偏差値65前後)

  • 習慣化・集中・動機
  • IQ寄与率・非認知要因寄与率(約30%/約70%)

 

上位層(70以上)

  • GRIT・自己管理
  • IQ寄与率・非認知要因寄与率(約20%/約80%)

 

GRITという言葉を聞きなれない方も多いと思いますが、「やりぬく力」という意味の新語です。努力の継続を表すシンプルな言葉のように感じますがそう単純なものではなく、自身の持続可能な努力(Guts)の見極め、徐々に限界を広げ、知力の限界とそれを超えようとする意志の強さ(Tenacity)、また試験と試験の間の過ごし方や休み方(Resilience)、様々な意味を含む包括的な言葉です。実際にGRITのIは"Initiative(自主性)"の頭文字の"I"から来ていますが、自らを律することが難しい時代に自律の精神を高め、学力を超え、最終的に受験を乗り越えられる高い知と強い意志を持った生徒を育てたいという思いから選んだ塾名でした。

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