前回の記事で「生徒全員がクラス1位、学年1位、英検準1級/1級のいずれかを目指すという目標を伝えた」とお話しました。僅かですがこの言葉には揺れが存在し、その揺れの原因は現状で1位の生徒がどこを目指すかというものです。よくこの世界では「大学受験はゴールではない。人生の通過点。」と言いますがそこまで見据えて学習に取り組み、継続できる中高生はほとんどいません。
トップの先に待ち受けるのは、多くの場合、虚無感と慢心です。少し前に1名の生徒、学力の面で言えば右に出る者がないほど高い生徒なのですが、同一週内で複数の失敗が続き、話をしました。本人の口から出てきた言葉は、「塾の勉強を舐めている」ということ、それがある種の「慢心から引き起こされている」ということでした。
非常に厳しく、生徒の心を傷つけてしまうことになるとわかっていたのですが「授業料を払ってもらっている保護者や日々指導に携わってくれている英会話の先生に申し訳ないと思わないか。塾の責任者として塾の勉強を舐めているという言葉を看過することはできない。君の歩く一歩はそこまで軽いのか」と伝えました。同時に「君は勉強ができる。だからこそできる人間は、それ以外の人間よりも謙虚に、真摯でなければならない」と伝えました。
トップにたどり着いたその先に目指すべき場所の答えは、自身で導かなければなりません。体験談となり少し自慢めいたものになってしまうかもしれませんが、フィリピン留学時に2度校内模試で1位になり表彰されたことがありました。留学中は2度しか試験を受けるチャンスがなかったのですが、2度目は打倒Kyoを掲げていた学生も多かったようで夜遅くまで自習室に残って勉強している学生もいました。

そしてその後、学校の先生や管理者と相談してEOPルール(母国語の使用禁止)を作成し校舎内の特定の時間に関しては母国語の使用を禁止するという取り組みを行ったことがありました。150名程学生がいた学校ですが40-50名がこの取り組みに賛同し、参加してくれました。
大学院の成績は全員の成績が公開されていたわけではなかったので順位はわからないですが高い方ではあったと思います。年齢的にも立場的にも余裕があったので、他の留学生の論文の英語の添削をしたり、一緒に文献を探したり、年配の方はパコソンが苦手だったのでその作業を手伝ったり、勉強面以外でも寮内の水回りを毎日掃除をしたり、授業が始まる前に机を整えたり、風邪をひいた学生に料理を作って持って行ったこともありました。最終日には、何名もの学生から一緒に勉強できて嬉しかったという手紙をもらいました。
個人的な解答は「周りを上げることで自分もさらに上げられる」ということでした。周りを上げて自分も上げるという打算があったわけではないのですが、これまで自分が受けた恩を何らかの形で返したいと思って自分が他者にできることを探し、実践した結果、自分にもポジティブな結果がついてきたというものでした。
もちろん、今は別のステージにいますので英語塾GRITが全国トップに至るまでの道中です。先程の学生に、「小6や中2で英検準1級に合格した生徒がいるこの教室で、君がトップでないように私も日本の中でトップではない。和歌山でトップなど小さい世界ではなく、一緒にこれからさらなる高みを目指そう」と伝えました。