今週末から冬期講習の案内を配布しています。11月は比較的時間にも余裕がありましたが、次にひと段落つくのはGW頃で今回がおそらく年内最後の記事になります。
季節講習が始まる前は、自身の気持ちを高めるためというのもありますが生徒の気持ちを高めるためにも様々な話をします。一昨日の授業では「体から蒸気が噴き出る程、熱い冬にしよう」と生徒に伝えると「何ですかそれ」「また始まったか」と言わんばかりに笑われたので、「マグマ的な。体の奥のマグマが表面まで上がってきて、しゅーっ、しゅーっみたいな。言っててよくわからないですが」と身振り手振り、効果音までつけて説明すると、また笑っていましたね。
冗談はここまでです。
数年前、生徒全員が第一志望の国公立大学に合格した世代がありました。できればこの奇跡が毎年起こってほしいと思いますが、難しいです。よく覚えている出来事が大晦日で、最後の全員一斉の共通テスト模試でした。テスト中の生徒の部屋に入ると、暖房を切り、腕まくりをしている生徒が数名、窓が少し開けられていました。
その模試では全員が過去最高点、そして2週間後の本番の試験では半数が大晦日の模試と同じ点数、もう半数がそれを超える過去最高点を取りました。
秋口から冬にかけ、「単語帳2冊使っていいですか?」「教室に置いているリスニングの問題使って良いですか?」「教室に置いている他教科のパック模試を使って何名かの生徒で勝負していいですか?」と私の予想を超えるエネルギーを発していました。したがって、「体から蒸気が出るほど熱い」というのは個人的な体験から笑いごとではなく、受験直前の冬だからこそ起こり得ると考えています。
そしてそのエネルギーを感じることのできる生徒は本当に一部の生徒です。横柄な考え方かもしれませんが、英語学習に関しては他の誰よりも近くで見ているので私が何も感じないということはエネルギーを発していないのでしょう。
その「熱」について生徒と話をしました。
誰が準1級に合格するか
今日の授業では、「高1で英検2級を取ろうが、中3で英検2級を取ろうが、中2で英検2級を取ろうが、ほとんどの学生は高校在学中に英検準1級に合格することはできない。大学入試も同様でほとんどの学生が第一志望を断念する。それが現実です。」と伝えました。
では、「誰が英検準1級に合格するか」となりますが
- 「英検2級で合格バンド+10以上(合格点を超える圧倒的な点数)で合格する」
もしそれが達成できなかった場合
- 「高2の早い段階(夏休み頃まで)で共通テスト模試で80%を超えること」
と伝え、「高1生はこの8か月程で英検準1級達成の可否は決まります。重要な8か月になります。」と伝えました。
無茶をする
別の生徒ですが、「11月中に終わらせるように」と3冊共通テストのリーディング教材と1冊共通テストのリスニング教材を渡しました。
「普通にやれば終わる量でないことはわかっていますが、普通にやっていても今目の前にある壁は乗り越えられない。無茶してやってみよう」とひとつき程前に話しました。今日が確認日で終わらせることができなかったのですが、「普段より頑張りましたが、無茶をしたかと言われるとそこまではやってないです」と正直に話していました。
「コツコツ頑張ることができるということは知っています、でもそれだけでは十分ではない。厳しいことを言っていることはわかって言っていますが前も話したように、無茶をせずにこの壁を乗り越えることはできない。今回は出来なかった。次、必ずやろう。」と再度伝えました。
最後の3か月
例えば12月時点で高校1年生の生徒がこれから8か月こつこと努力して夏休みまでに共通テストで80%程とることのできる英語力が身についた場合、翌年の1月の英検が1つの勝負になります。今日の授業ではまた、別の1名の生徒に「定期テストも英検も同じ『試験』であることには変わらない。定期テストは普段からコツコツ努力して最後の1,2週間でさらに努力すれば高い点数をとることができる。でも英検を考えてみるとほとんどの学生は英検の前だからと言って特別な努力をすることはないでしょう。だからほとんどの学生は英検準1級に合格することができない(英検準1級合格者の80%は社会人です)。」と伝えました。社会人は土日に10時間ずつ英語の勉強など、当たり前のようにします。
「8か月努力したさらにその後にまた努力しないといけないか」となりますが、実際にはその8か月の努力を3か月に濃縮し最後の追い込みをかけるべきです。他の季節であれば難しいかもしれませんが、冬であればそれが可能です。12月1週目に定期テストが終わり、そこからはほぼ冬休みで1月は学校の休みも多いと聞きます。クリスマスや正月と浮かれず受験生と同じような心持ちで取り組むことができれば可能性が見えます。
したがって、高1の冬に英検2級程の英語力が備わっていればその後の半年をどう過ごすかにかかっていますが、高3の春までに英検準1級合格の可能性は残されています。
心の火
トータルで15名程の生徒がいただろうと思いますが、「高い目標を達成するために『心の火』が必要だ。」ということも話しました。「では心の火はどこから来るか?明確な目標、他の何を犠牲にしても達成させたい目標、そこから心の火は生まれる。友達と勉強したいから塾でやりたくない。先生が3時間きなさいというから3時間勉強して顔色をうかがって『帰って良いですか』と確認して帰宅。日曜日は1日中遊びたい。そんなんで旧帝や医学部、英検準1級や1級のような高い目標が達成できるはずもない。1分でも長く学びたい、1つでも多くの単語を覚えたい。できる最大の努力をし続け頂にたどり着くことができるんだよ。皆に、心の火は灯っているのか」と問いました。
心の火の大きさ
先ほどの話に合わせて「心の火の大きさは測ることができます。半分は数字。小テストの点数や自習の時間。そしてもう半分は言動。言ってることが年齢や目標と合っているか、言行が一致しているか。」とも伝えました。
実際にはスポーツでも同じことが起きていますが「データ」でその生徒の学力の高低はある程度わかります。授業の出席率、小テストの合否数、小テストの点数、4ページあたりの間違えた問題数、似た問題を間違えた確率、補習の時間、自習の時間。
ただ、どれだけ努力しても能力がいくら高かろうが心に火の灯っていない生徒は肝心な所で大きな結果を残せない、それは200人や250人の中高生を見てきた経験から感じています。
入塾して1年程たち少しずつ結果も伴い始め火種のようなものが出来ている生徒も見受けられます。2025年はその火種が大炎となり大きな飛躍の年になるように、まずは冬期講習をしっかり完走しましょう。