久しぶりの更新です。
■英検
まず、英検1級を受験した高校1年生の生徒が、一次試験の合格を伝えてくれました。
リーディングセクションは2問間違いと、ほぼフルスコアでした。1級に向けて特別な対策をしていたわけではありません。しかし、中学2年の秋に英検準2級に合格して以来、一貫して高い水準で学習を続けてきた生徒でした。学習の過程では、選択肢が複数あれば、ほとんどの場合、より困難な方を選び、学習に対して非常に貪欲でありながら、同時に謙虚で、自分の弱さもよく理解していました。以前、周りに複数の生徒がいる場面で、「GRITに来なければ甘えてしまう」と話していたことがあり、周りの生徒が一斉に下を向いていたことを覚えています。面接試験を終え英検の学習は終えることになりますが理想的な学習を継続してくれ「次は大学受験の勉強です」と話していました。
■大学入試
昨年は5名の生徒が英検準1級に合格し、また1名の生徒が共通テスト(本試)のリーディングで100点を取ることができました。しかし、リーディングで100点を取った生徒も、もともと特別な英語力を持っていたわけではありません。高校3年の夏頃の段階では70%程度。夏休み明けの共通テスト模試では、50点台を取っていました。そのとき私は(他の生徒も含めて)「『英語は大丈夫』と思っているのでしょう。」と生徒に問うと「はい。」と答えたので「その時点で後退が始まっている。試験が終わる最後の最後まで、挑戦者という気持ちを忘れないように」と話しました。ほとんどの生徒にとっては説教で終わる話だったと思います。しかし、その生徒は目を真っ赤にしながら話を聞いており、自分事として受け止めていることが伝わってきました。だからこそ、高3の夏から20%以上点数を伸ばすことができ、満点という結果につながったのだと思います。
■ 結果
結果が出るべくして出るという時期がしばらく続きましたが、ここで一つの区切りを迎え、おそらく次のフェーズへ移っていくのだと思います。というのも、ここで結果を出した生徒の多くは、すでに全国模試などでも県下1位や満点といったスコアを取っており、これから先は、英検のような「表立った結果」では測りにくい段階へ移っていくからです。そして、新しい層の生徒たちが、次の「表立った結果」を示していくことになるのだと思います。その中でも、現在高校2年生の生徒の多くは、英検準1級の最終目標を「高3の6月」に設定しています。そのため、3月から6月は彼らにとって勝負の時期になります。昨年末から意識を持つよう言葉がけをし、どの程度の学習量が必要なのかということも、面談で繰り返し伝えてきました。どの程度緊急性が伝わっているのかは分かりませんが、「これ以上要求するとパワハラになる」とも伝えたうえで、最後に「優秀であれば準1級に合格できる」と話しました。
■優秀とは
では、「優秀とは何か」。英検1級に合格したり、共通テストで満点を取るような生徒の取り組みを見ていると、そこから学べることは非常に多くあります。それは単に「単語を覚える」「過去問を多く解く」といった表面的なものではありません。実際、英検1級に合格した生徒も、英検1級のための特別な学習をしていたわけではありません。また、共通テストのリーディングで満点を取った生徒についても、共通テストのリーディングを特別に指導したことは一度もありません。さらに興味深いのは、学力の高さが必ずしも高い結果につながるわけではないということです。もしそうであるなら、帰国子女や海外経験の豊富な学生に太刀打ちできないでしょう。
では、何がこのような結果につながるのでしょうか。
本来であれば、そのような生徒の姿を見て学ぶ(真似ぶ)ことが理想です。そこで、「優秀な学習者とは何か」というテーマについて、生徒と討論を行いました。以下は、生徒から出てきた考え、そして私が生徒に話した内容です。
まず、生徒から出てきた考えは次のようなものでした。
- 点数が高い
- 与えられたことをきちんとする
- 他教科の学習も手を抜かない
- 自分のことを知る
それに対して私が伝えたのは、次のようなことです。
- 英検準1級を目指す生徒にとって、点数が高いのは当然である。
- 与えられたこと以上のことをする。
- 学習面でも私生活面でも、同じ間違いを何度も繰り返さない。
- 自分が思っている100%は、本当の100%ではない。100%が出るなら120%、120%が出るなら150%、150%が出るなら180%を出す。つまり、費やすことのできるすべてのエネルギーと時間を、残り3か月の英検準1級に費やす。
- 皆が嫌いな精神論ですが、試験とは最後は結局メンタル。
- しばらく英語に振っても準1級に合格できる生徒ならその後修正できる。
- もし合格できなくても最後まで全力を尽くせば必ず大学受験につながる。
- 逃げたり中途半端なことをすれば大学受験にもネガティヴな影響を与える。
- 大学受験の方が優先度は高いので、無理に目指す必要はない。
- 学習にメリハリをつける。(英検も試験である以上、最後に詰めてできる生徒の方が合格の可能性は高い。)
- 自分の苦手分野(多くの生徒の場合はリスニング)の学習は、定期的に塾で行う。
- うまくいかずに「悩む」ことを、成長のチャンスとして前向きに捉える。
- 見通しは厳しめに持つ。(1時間で終わると想定した課題でも、1.5時間はかかると想定する。)
- 学習の意図を理解して取り組む。
- 6月の英検合格を目指すのではなく、4月のS-CBTで合格するつもりで全力を尽くす。
- 自分がどこまで無理をすることができて、どこから無理ができないのかを見極める。
- 自分に対しても、人に対しても嘘をついたり見栄を張らないこと。たとえ損をするように見えても、正直に、誠実に学びと向き合い、正々堂々と勝負すること。
- そして、私もそうであるように、自分たちが努力できるのは、多くの方の理解とサポートがあるということを自覚すること。
- どれか一つではなく、今話したすべてを実行すること。
長く、本当にくどい話です。しかし、自分がまだそこに達していないという自覚があるならば、それを「くどい」ではなく、「まだ足りない」と感じるはずです。そしていずれ、優秀な生徒とは、実はこのようなことを言語化しなくても自分の中で処理できている生徒なのだ、ということに気づくかもしれません。したがって、私もまた、ほとんどの学習者と同じように優秀な部類ではないのかもしれませんがその弱さを知っているからこそ対策を講じることができるということも自負しています。自分ができないことを言語化することがファーストステップです。
言語化した生徒が、それを今後どのように行動へ移していくのか。それが対策であることを意識しなくなるほど習慣化された学習に導くことができるのか、他人事と捉え忘れてしまうのか。もし前者であるなら、結果に左右されない、ぶれない学習者へと変わっていくのだと思います。高2生で英検準1級を目指す生徒にとって、この準1級は大学受験の前哨戦です。毎年生徒の様子を見ていると、春は最も学びが緩みやすい季節です。だからこそ、その中でどれだけ強く学ぶことができるのか。学習者としての真価が問われる時期です。