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【英検1級】安楽死の是非

「安楽死を認めるべきか」というトピックに関して英検1級を想定し否定の立場で英作文を書きました。前回書いた英作文が360wordsと120words程超過してしまったので、1つのボディを50-60wordsに収めました。

 

書きながら感じていたのですが、今回の英文は深い洞察がなくうわべだけの英文です。トピックに対する知識が欠けていてそれが内容や語彙に影響を与えていると思います。例えば知識の欠如を少し難しい単語を用いてごまかそうとしている箇所がいくつかあります。したがって、その単語のレベルと内容が合っていない違和感のある英文になっています。

 

宗教や文化的な側面から、生物学的な側面から(動物で自死を選択するのは基本的には人間のみで「安楽死」という考え方そのものが生物学的に矛盾している)、また別の面から書くこともできたのでないかとも思いました。個人的には肯定の立場ですので逆の立場で書く難しさもありました。

 

最低限の点数は出ていますがIELTSの実際の試験でこの英作文ですと7.0かよくて7.5程度だろうと思います。

 

英文

Since 2001, when the Netherlands first legalized euthanasia, the number of countries accepting euthanasia has been growing. As of 2024, euthanasia is legally permitted in more than ten countries worldwide. Despite this trend, I believe euthanasia should be abolished due to the psychological burden on doctors, difficulty in determining eligible patients and its social impact.

 

First, euthanasia could detract from doctors' dignity. Their ultimate goal is to save patients' lives, not to terminate them. However, doctors will face a harsh reality and fall into an ethical dilemma when they assist in patient suicides. It is essential to consider and protect doctors’ dignity as well.

 

Second, it is extremely difficult to determine which patients should be eligible to receive the treatment. There are many terminally ill patients suffering from various diseases, and their conditions and situations vary. It is highly likely that problems will arise after treatment, and the doctors making the final decisions might be blamed.

 

Lastly, the social impacts can be huge. Canada passed a law to legalize euthanasia in 2016. In just five years, more than 40,000 patients received the treatment and lost their lives. Now, doctor-assisted suicides account for 3% of all annual deaths in the country. The number is still growing. If it continues to rise, the demographic balance might be disrupted.

 

Indeed, the rights of death should be considered to some extent. However, considering the psychological burden on doctors and negative impacts on society, all the nations must think twice to introduce euthanasia.

 

和訳

2001年にオランダが安楽死を合法化して以来、安楽死を受け入れる国の数は増加しています。2024年現在、世界中で10カ国以上が法的に安楽死を認めています。しかし、この傾向にもかかわらず、私は医師にかかる心理的負担、適格な患者を決定する困難さ、そしてその社会的影響を考慮すると、安楽死は廃止されるべきだと考えています。

 

まず、安楽死は医師の尊厳を損なう可能性があります。彼らの究極の目標は患者の命を救うことであり、それを終わらせることではありません。しかし、患者の自殺を手助けするとき、医師は厳しい現実に直面し、倫理的なジレンマに陥ることになります。医師の尊厳も考慮し、保護することが重要です。

 

次に、どの患者が治療を受けるべきかを決定することは非常に困難です。様々な病気に苦しむ末期患者が多く、彼らの状態や状況は異なります。治療後に問題が発生する可能性が高く、最終的な判断を下す医師が非難されるかもしれません。

 

最後に、社会への影響は大きいです。カナダは2016年に安楽死を合法化する法律を可決しました。わずか5年で、4万人以上の患者がその治療を受け、命を落としました。現在、医師の介助による自殺は、国内の全死亡件数の3%を占めています。この数字はまだ増加しています。このまま増え続けると、人口のバランスが崩れる可能性があります。

 

確かに、死の権利をある程度考慮するべきです。しかし、医師にかかる心理的負担や社会への否定的な影響を考慮すると、すべての国は安楽死を導入する前によく考える必要があります。

 

採点とフィードバック(英検)

 

文法: 7/8
この英作文は概ね文法的に正確です。ただし、少し細かい点に気をつけるとさらに良くなります。例えば、「the number of countries accepting euthanasia has been growing」という表現は、「has grown」に変えることで、より簡潔かつ明確な表現になります。

 

語彙: 7/8
使用されている語彙は適切で多様ですが、同じ単語やフレーズの繰り返しを避けるために、さらに多様な語彙を用いることができます。例えば、「harsh reality」と「ethical dilemma」は、より具体的な表現に置き換えることで、議論の深みを増すことができます。

 

内容: 7/8
内容はよく整理されており、論点が明確ですが、各段落で論じられている理由に対する具体的な証拠やデータをもう少し詳しく提供すると説得力が増します。特に、医師の心理的負担や社会への影響についての具体的な事例や研究結果を引用することで、主張に重みが加わります。

 

構成: 8/8
文章の構成は非常に良いです。導入部で背景を設定し、本文で段階的に主要な点を展開し、最後に締めくくりの段落で結論を述べています。各段落が論理的に繋がっており、読みやすいです。

 

フィードバック
全体として、この英作文は非常に整理されており、説得力のある議論を展開しています。文法や語彙においても高いレベルですが、表現の多様性を増やし、具体的な証拠やデータを用いることで、さらに内容の充実を図ることが可能です。また、医師の倫理的ジレンマや社会への影響についての具体例をもう少し詳しく掘り下げることで、より深い洞察が得られるでしょう。

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